ホーム>スタッフブログ>2013年3月

2013年3月

アリス・ウォーターとオーガニック(カリフォルニア・ベイエリア報告③)

「マーティン・ルーターJr中学校」から歩いて15分、地域鉄道・バート(BERT)のバークレー駅から歩いて15分のところにアリス・ウォーターのお店「シェ・パニーズ」があります。
彼女が提唱し続けているのはオーガニック野菜の地産地消で、この素材と哲学を元に最高の食事を提供するのがシェ・パニーズです。ベイエリアでも予約の難しいレストランとして知られているらしく、営業開始から30分で予約のお客で席が全て埋まる有り様でした。彼女と彼女のお店に関しては、以下のサイトを参考にしてください。店の様子と彼女の表情も伺えますhttp://www.shogakukan.co.jp/pr/90th/356714.html 。
グルメでない私にはネコに小判の感がありましたが、料理は一皿一皿に個性と品があり、良心的で真面目に作られているという印象でした。素材が、野菜が喜びに満ちているのが見ただけでも感じられ、口に入れるともっと分かります。要はシンプルという哲学――野菜とは何か、料理とは何か、食べるとは何かということにつきるのでしょう。お客さんの表情も穏やかです。食と心、食と身体は連動していると、つくづく感じさせられました。

さて、そのアリス・ウォーターが、オーガニック野菜を使ったレストラン展開や中学校改革をはじめとする社会教育のベースにしたのが、この地域に以前から根付いているオーガニック野菜の地産地消の形態です。バークレーの近くに昔からある食品スーパーを見つけました。撮影の許可を得たのでご紹介しましょう。http://www.andronicos.com/2015757347.jpg

まず驚いたのは、ここが高級スーパーであることです。日本でいえば紀伊国屋か明治屋といったところでしょうか。高級食材の品揃えも素晴らしく、この辺りの生活レベルの高さが伺えます。次に驚いたことは、オーガニック野菜の種類の豊富さです。野菜のほぼ全てにどこで作ったかどんな種類の野菜かという表示と共に、オーガニックの表示が目に止まります。本当の高級野菜とはオーガニックのことなのだと改めて気づかされました。そして、その中に「先祖伝来種」が数多く含まれていたこともみなさんにお知らせしなければなりません。2015757428.jpg

英語で「エアルーム」(HEIRLOOM)と呼ばれる先祖伝来種は、人類の農耕の歴史と共に受け継がれてきた古い種のことで、瀬戸内海環境会議が扱っている種の中にも、トマト、ナス、ほうれん草、ブロッコリー、パプリカ、シシトウ、ラデッキオ、エンダイブ、ルッコラ等々の先祖伝来種があります。
この地元スーパー、創業は1929年というから驚きですが、モットーは「この地域のみなさんにこの地域で採れた品質の良い安心できるものを買っていただきたい」ということで、その先祖伝来種の野菜や果物を多く扱っていることを“売り”にもしています。
その理由について、青果担当の方にインタビューしてみました。
「この店には先祖伝来種が多いですね。ここにあるトマトも先祖伝来種ですが、どうして多いのでしょう?」
「そりゃ、ずっと昔からこの店に置いているからさ。どの先祖伝来種も味がいいのが特徴だよ」
と、大変シンプルな答えが返ってきました。

日本には品種改良のトマトが溢れています。しかしこちらの高級店では先祖伝来種が多いとはどういう事でしょう。
有機野菜を種からこだわり有機で育て、これこそが紛れもなき高品質の野菜であると高級店で販売するアメリカと、一方、色や形、甘さで勝負の品種改良した種で、農薬化学肥料を多用して作られた野菜が百貨店、高級スーパーに所せましと並ぶニッポン。
果たして、我々はこの明らかなレベルの違いを埋めることができるのでしょうか?先ずは本物で安全な野菜、安全な農法、そして安全な種と、解決しなければいけない課題解決が先に行われないといけないと思いましたし、それに加えて我々消費者の知識と意識レベルを上げなくてはいけないとも痛感する旅でした。

本当の食により地域と住民が繋がっていく(カリフォルニア・ベイエリア報告②)

アリス・ウォーターという名前の人を、私は正直言ってよく知りませんでした。ただ数年前から、サンフランシスコ郊外のバークレー市にある中学校が菜園を作り、それが大きな動きになっていること、またホワイトハウスにオーガニック菜園が作られ、それを進めてきたのが著名な料理家であったこと、などの情報が気になってはいましたが、それらの全ては上手く繋がらず、断片的なニュースとしての理解でした。そのキーになるのが一人の料理家であったことを突き止めたのは、『食育菜園・エディブルスクールヤード(家の光協会)』を読んでからのことでした。 20157572023.jpg

人種も生まれ育った状況も家族状況も違う子供達が通う「マーティン・ルーサー・キングJr中学」は非常に荒れていましたが、その原因を突き止めていくと、朝食を食べない(食べさせてもらえない)子供、ジャンクフードばかりで手作りの食事を食べた経験の無い子供が非常に多く、家庭環境、また食生活に大きな問題があるということが分かりました。時は1994年、子供たちの非行や問題行動に食が関係していると人々がまだ気が付かない時代、この都会生活、現代生活の盲点に気が付いたのがアリス・ウォーターとこの中学の校長先生でした。
それ以来彼らと先生達、そして親たちは、子供たちが食べられる菜園を作り、それを育み、料理し、残渣をまた大地に戻すという命の繋がりでもって学んでいく、そんな教育を始めたのです。そしてそのことが現在はホワイトハウスまで広がっていったのです。

20157572140.jpg

 この学校に足を踏み入れる時、アポイント無しの日本の訪問者、しかも素性も目的も知らない人間を受け入れてくれるかどうか不安でしたが、拍子抜けするほど快く受け入れてくれました。実はこの中学には世界中から日々訪問者が来ているのです。アフリカやアジアでも命の教育が注目されていることから、受付で日付とサインを記入し、入校シールを貼れば学内の全てのことを見せてくれるのです。
ここには生徒と教師、および様々な協力者とで運営されている食育菜園があります。その菜園の隣にはキッチン、野菜の残りを堆肥化するコンポスト、残りを処理する鶏小屋、小さな池、はたまたピザやパンを作る窯まであります。ここで種や苗から作物を育てて調理し、食べ、そしてまた大地に戻していきます。当日も数クラスがこの作業をしていました。邪魔しないようにソッと見ていると、恐らく通常の授業にも馴染まなそうな生徒に、教師が植物のことで声をかけていました。他の授業には答えらしきものがありますが、ここでの答えは一定ではなく、その「こと」についてどう感じるか、これが答えであるように見受けられました。わらの上で座り、土を触り、命を育む彼らはこの菜園という無限のフィールドで何を見つけていくのか――。かつての荒れた学校から、世界中の教育者、社会を変革しようと努力する人々を引きつける学校へと変貌したこの学校、そしてその子供たちは、見ず知らずの訪問者に対してもプライドとも言える気高さ、誇らしさを感じさせていました。
食の問題は社会全体の問題です。解決は容易ではありませんが、その視点に立つと子供達に教えてもらうことがたくさんありそうです。そんな子供達の表情に学ぶために、いつかまたここに帰って来たいと思います。

お買い物のご案内

ご注文について

ご注文は、オンラインショップの買い物かご、メール、お電話にて承ります。

お届けについて

【送料】全国一律360円(税込)
※離島への発送は行っておりません。 

返品・交換について

   原則としてお客様都合による返品はお受けできません。

 
【商品に不備があった場合】
商品には万全を記しておりますが、万一商品に不備があった場合(誤品配送・破損・汚損等)は商品到着後、3日以内にご連絡のうえ、着払いにて商品をお送りください。 代替品と交換、または返金させていただきます。 但し、お客様都合により、商品のお受け取りが遅れた場合、対応できない場合もございますので、予めご了承ください。

お支払いについて

お支払いは、銀行振込・代金引換がご利用頂けます。

 

お問い合せ先

お問い合わせは、メール・電話・FAXにて承っております。

 

東京都大田区田園調布1-49-3 いのちの素
TEL:03-5483-8839

 

営業時間:9:30~17:30
定休日:土日祝・年末年始